メニエール病

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<耳鼻科で治療する代表的な耳の病気について解説しています>

メニエール病(めにえーるびょう)  

■メニエール病とは?
難聴、耳鳴りなどの聴覚症状を伴う回転性のめまい発作を繰り返す病気です。
難聴の種類としては低音障害をきたす場合が多いです。内リンパ水腫がメニエール病の病態と考えられていますが、なぜ内リンパ水腫をおこすのかはわかっていません。
耳鼻科以外の病院でメニエール病といわれているものがメニエール病ではないこともしばしばみられます。くりかえすうちに難聴がだんだんひどくなっていくこともあり、専門医による診断、治療をうけることが大事です。

■メニエール病の治療
早期に適切な治療をおこなうことが重要です。
血流改善剤、ビタミン剤、利尿剤、ステロイドなどの内服薬で治療をしていくことが多いです。
ストレスや疲労のない規則正しい生活、塩分・カフェインの取り過ぎをしないこと、適度の運動なども病気のコントロールにとって大事です。




<<メニエール病診断基準>> メニエール病診療ガイドライン2011年度版より

Ⅰ.メニエール病確実例

難聴、耳鳴、耳閉感などの聴覚症状を伴うめまい発作を反復する。

Ⅱ.メニエール病非定型例

下記の症候を示す症例をメニエール病非定型例と診断する。

① メニエール病非定型例(蝸牛型)
聴覚症状の増悪・軽快を反復するが、めまい発作を伴わない。
② メニエール病非定型例(前庭型)
メニエール病確実例に類似しためまい発作を反復する。一側または両側の難聴などの聴覚症状を合併している場合があるが、この聴覚症状は固定性で、めまい発作に関連して変動することはない。
この病型の診断には、めまい発作の反復の状況を慎重に評価し、内リンパ水腫による反復性めまいの可能性が高いと判断された場合にメニエール病非定型例(前庭型)と診断すべきである。
(原因既知の疾患の除外: メニエール病確実例、非定型例の診断にあたっては、メニエール病と同様の症状を呈する外リンパ瘻、内耳梅毒、聴神経腫瘍、神経血管圧迫症候群などの内耳・後迷路性疾患、小脳、脳幹を中心とした中枢性疾患など原因既知の疾患を除外する必要がある。)